「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」とは

 「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」は、建築家の歌一洋・近畿大学教授が提唱している活動です。四国八十八カ所は歩くと約1200kmの道のりです。普通の人で40日から60日もかかります。歩き遍路が立ち寄って、足を伸ばし、一休みできる簡単な休憩所が「ヘンロ小屋」です。
 小屋は遍路道沿いに設けます。歌教授がその土地に合わせて設計をし、地元の方々が寄付金集めや、労力奉仕をして建設します。土地も、所有者や自治体から借りています。すべてがボランティアの精神によっています。
 2001年に第1号が、徳島県海陽町にできました。これまでに58棟が完成しています(うち5棟は廃小屋)。目標は、四国八十八カ所にちなんで88棟と、プラス1棟が目標です。最後の1棟は、プロジェクトの集大成と位置づけています。
 歌教授は徳島県出身です。子どものころから、お遍路さんをもてなす「お接待」に触れてきました。ヘンロ小屋もお接待の一環で、地元の方とお遍路さんの触れ合い、支え合いの場です。また、お年寄りから子どもまで、世代を超えた交流の場でもあります。
 小屋には「人」という形がモチーフとして使われています。歌教授がプロジェクトの根本に置いている「支え合い」を形として具現化したものです。人と人の結びつきを示すものですが、建築上の構造としても強いものです。
 遍路は長い歴史の中で、いまは最大のブームといっても過言ではありません。遍路は古いものを残しながら、次々と新しい要素を付け加えています。「ヘンロ小屋」とカタカナを使っているのは、遍路に対する柔軟な感覚を表現しました。



 ↓ヘンロ小屋28号松本大師堂
 
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歌 一洋さん「プロジェクトにかける思い」

 四国に八十八ヶ所の霊場札所を巡拝する遍路道が在ります。いわゆる「四国八十八ヶ所」です。
 空海が開いたとされ、1200年余、お遍路さん、地元の人達によって脈々と今に受け継がれています。祈りを体現したシステムとして「お接待」と「循環性」というカタチは世界でも類を見ません。
 この四国全域1400kmの遍路道89ヶ所に、歩きお遍路さんのための休憩・仮眠ができる「ヘンロ小屋」をボランティアで造っていくプロジェクトです。2001年から10数年をかける予定です。
 小屋は地域の様々な人達と共に、つくる過程も大切にしながら造りたいと考えています。また小屋の設計にはその地域お風土、伝統文化、建築文化、空海の思想を多少なりとも生かしつつ、新しい風景が創出できればと考えています。
 小屋を通して「祈り」「人と人、人と自然のふれあいや支え合い」の精神が広がり、深まることを願って…
 発心
 私は徳島県南に生まれ、お遍路さんとの思い出があります。幼少の頃、白装束を身にまとったお遍路さんが玄関先で拝んでくれるたびに、米など家にあるものを袋の中に入れてあげていました。「お接待」です。
 この現風景が、年齢を重ねるごとに、徐々に浮かび上がってきました。特に20年程前から歩きお遍路さんに何かを強く感じています…
 そして外国へ旅するごとに遍路の持っている文化の貴重さを意識するようになっていました。また、人間「空海」を識るほど強く魅かれるようになりました。
 建築設計を生業とし、前向きに生きるための「祈り」を建築のテーマとしている私にとって歩きお遍路さんのため、何かできるでは…と考えていました。
 そんな思いが少しずつ醸成し、ごく自然に生まれたプロジェクトです。    (うた いちよう)


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「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会とは

 「歌教授のプロジェクトの応援組織です。孤軍奮闘している歌教授の姿を見て、心を動かされた人を中心にして、2006年4月に発足しました。その後、呼びかけに応じて賛同者が増え、現在の会員は約300人です。
 会員の年会費は1口3000円です。年会費と寄付金を、小屋建設の調査費などに支出し、プロジェクトを後押ししています。また、大口の寄付を、そっくり建設費にあてるケースもあります。ヘンロ小屋建設とともに、遍路文化の保存と継承を活動目標とし、講演会やシンポジウム開催などの活動もしています。会の活動への参加は自由で、個々の活動に合わせて、余裕のあるメンバーがボランティアで動いています。
 支援する会の事務所は、大阪市中央区博労町1−7−11 空の箱3階、歌一洋建築研究所をお借りしています。四国4県には支部があり、支部長が現地で活動をしています。四国4県の知事には、顧問になっていただいています。
 支援する会は毎年1回(4月ごろ)、総会を開きます。総会は会の最高決定機関です。また、原則として毎月1回、歌一洋建築研究所(支援する会の事務所)で役員会を開き、活動計画を立てています。役員以外の会員も参加自由です。会は機関誌「ヘンロ小屋だより」を年2回作り、会員に発送しています。


「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会

(会長 梶川伸・元毎日新聞論説委員)

〒541-0059 大阪市中央区博労町1−7−11 空の箱3階

郵便振替00910−1−317826

「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会

TEL:06-6264-2150  FAX:06-6264-2160

e-mail:henrogoya@arrow.ocn.ne.jp






↓ヘンロ小屋30号銭形落成式(2008年8月3日)
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「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」 を支援する会  会則
第1章 総則
(名称)
第1条 この会は、「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会という。
(目的)
第2条 「ヘンロ小屋プロジェクト」を支援し、遍路文化の保存と継承をするための活動を行う。
(事業)
第3条 会員は、前条の目的を達成するため次の事業を行う。
 ・四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクトに伴うヘンロ小屋(休憩所)建設を支援する。
 ・遍路文化の保存、継承に協力する。
 ・講演会などの啓蒙活動を行う。
 ・その他。
(事務局)
第4条 事務局は、歌一洋建築研究所内(大阪市中央区博労町 空の箱)に置く。
(支部)
第5条 第4条の事業を行うために、四国各県に支部を置き、支部長を1名任命する。なお、必要に応じて支部には副支部長をおくことができる。
 徳島支部 高知支部 愛媛支部 香川支部
第2章 役員等
第6条 次の役員を置く。
 (1)会  長 1名
 (2)副 会 長 2名
 (3)顧  問 若干名
 (4)役  員 5名以上
 (5)事務局長 1名
(6)会員(構成員)は会の設立趣旨に賛同して会費を納入した人をさす。
(職務)
第7条
 1 会長は会を代表し、会務を総括する。
 2 副会長は、会長を補佐する。
 3 役員は、会の重要な業務の執行に関する事項を審議する。
 4 事務局長は事務局を総括する。
(任期)
第8条 役員の任期は、2年とする。
(評議委員)
第9条 役員の諮問機関として評議員を置くことができる。
第3章 会議
(役員会)
第10条
 1 役員会は原則として毎月開き、定例役員会と呼ぶ。定例役員会以外に必要な場合は会長が招集する。
 2 役員会は、予算及び決算の承認、その他必要と認める事項を審議し決定する。
 3 役員会の議事は、出席者の過半数の同意をもって決し、可否同数の時は、議長の決するところによる。
 4 役員会に出席できない者は、あらかじめ通知された事項について書面をもって評決し、または、議決権を代理の者に委任することが出来る
(総会)
第11条 総会は1年1回開催し、役員の選出及び事業・決算の報告を行う。
第4章 会計・決算
(会費)
第12条
 1 会費は年額1口3000円とし、2口以上も可能とする。
(会計)
第13条
 1 会の運営は会費、寄付金その他をもって充てる。
 2 会計期間は毎年1月1日から12月31日までとする。ただし、初年度は設立の日から12月31日までとする。
(決算報告)
第14条 事務局長が決算報告をし、役員会の承認を得るものとする。
第15条
 1 会員の個人情報は本会の目的以外には使用しない。
 2 本規約に定めない事項については役員会において決定する。
付則
 1 この会の設立は、平成18年4月1日とする。
 2 会則の変更は下記に追記する。
  ・平成19年9月1日(会の名称を変更)
  ・平成21年9月1日(役員会等)
  ・平成26年1月1日(住所変更)
・令和4年7月13日(会員の定義を追加)



↓ヘンロ小屋35号土佐清水落成式(2009年9月5日)
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