「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会は3月20日、高知市立自由民権館の民権ホールで第4回総会兼記念講演会・シンポジウムを開きました。総会は2009年から、四国で開くことにしています。今回は、徳島市に次いでの開催です。
総会では、森英雄事務局長が2009年度の会の活動を報告しました。また会計報告もし、参加会員の承認を得ました。役員は2年任期で、昨年承認をされているため、現メンバーがもう1年続けることになりました。総会は15分ほどで終わり、メーンの講演会・シンポジウムに移りました。
講演会・シンポジウムは高知支部の主催で、沖野和賀子・高知支部長のあいさつで始まりました。まず、辰濃和男会長が「歩き遍路で感じたこと」と題して講演しました。内容は44歳で初めて歩いた時のことが中心で、高知県の室戸岬の近くで宿泊させてもらったお接待、足摺岬で自死を考えている若者に助け舟を出し続けている宿の女将さんを例にあげ、「四国には慈悲の心がいきわたっている」と感想を述べました。
続いて、ヘンロ小屋プロジェクトの主宰者、歌一洋・近畿大学教授(建築家)が、これまでに完成した39棟のヘンロ小屋の一つ一つについて、設計の狙い説明し、「支え合い」というプロジェクトの基本理念を語りました。
短い休憩の後、シンポジウムを行いました。テーマは「遍路文化」。パネリストは実際に小屋の建設にかかわった人が中心で、▽岡崎甲・幡多信用金庫非常勤理事(ヘンロ小屋9号大月、13号佐賀、20号足摺、22号大方、33号宿毛)▽依光栄さん(28号松本大師堂)▽野村昌枝さん(32号天神)▽歌教授の4人で、梶川伸・「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会副会長があたりました。依光さんは「小屋ができ、みんなでお接待をができるようになり、まるで宝くじにでも当たったかの様です」、野村さんは「行政に対しては政教分離などの壁もありましたが、活動しているうちに、ちょっとしたきっかけで、小屋づくりが軌道に乗りました」と、小屋づくりで感じたことを具体的な言葉で話しました。岡崎さんは小屋づくりを続けている幡多信金の取り組みを語り、「できれば10棟くらいまで」と、頼もしい約束をしていただきました。
閉会後、自由民権館内の喫茶コーナーで、コーヒーとジュースを飲みながら、会員と聴講した方々を交えた交流会をし、散会しました。【梶川伸】