ヘンロ小屋1号・香峰の施主、野村カオリさん死去

 ヘンロ小屋第1号・香峰(徳島県海部郡海陽町四方原)の施主、野村カオリさんが1月5日に亡くなりました。92歳でした。小屋の管理は野村義孝・恵子さんの長女夫妻が引き継いでいます。

 2001年に歌一洋さんがヘンロ小屋の建設を呼びかけるため、徳島市で小屋の模型を並べた展覧会を開きました。カオリさんは会場を訪ね、さっそく建設を申し出て、その年の12月に第1号・香峰ができました。ヘンロ小屋プロジェクトの実質的なスタートとなる記念すべき小屋です。

 カオリさんは四国88カ所を何度も回り、休憩所の必要性を痛感していました。特にこだわったのはトイレです。徳島市で開かれた「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会の第3回総会のシンポジウムでパネリストとして、「歩き遍路は3回しました。昭和50年ごろで、1番困ったのはトイレでした。そこで、トイレ、それも洋式トイレのあるヘンロ小屋を作ったのです」と語っていました。

 小屋ではカオリさんの姿がよく見られました。「お接待をさせてもらっているのが1番幸せ。大変喜んでもらえ、若い人が『長生きしてよ』と言ってくれるのがうれしい」と言うのが口癖でした。ご冥福をお祈りします。

↑香峰での野村カオリさん

↑支援する会の総会で


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