越久田さん夫妻を訪問

 「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会の梶川伸、藤澤久弘の2人が10月16日、徳島県阿波市土成町、ヘンロ小屋57号・土成にお遍路さんの思いを綴った詩の刺繍タオルを掲示しました。その後、近くで接待所を開いている越久田(おくだ)博一・良子さん夫妻を訪ねました。刺繍タオルは、越久田の接待所にあったものだからです。

越久田さんによると、熊本県のお遍路さんから平成20年に、接待所開設10周年記念として贈られまし。歩き遍路の際に作った短い詩を連ねたもので、愛媛県今治市のタオル工場で刺繍してもらったそうです。越久田さん夫妻が高齢で接待所を閉めることになり、タオルはヘンロ小屋で引き継ぐことになったので、設置完了の報告に訪ねました。

熊本のお遍路さんとの交流で、良い話を聞かせてもらいました。熊本地震(平成28年)でお遍路さんも被災し、「被災地のサツマイモを接待所で売ってもらえないか」と要請がありました。快諾すると、200箱ものサツマイモが届きました。あまりの量に驚いたそうですが、被災地支援の呼びかけ文を張り出すと、アッという間に完売したのでした。

越久田さんの話では、接待所で休んだお遍路さんは約1万2000人。徳島県の職員が団体を連れて来ることあったとか。

接待所は7番十楽寺と8番熊谷寺の間にあります。遍路の行程ではまだ序盤なので、越久田さんは遍路の心得を話すこともあるそうです。「歩き遍路は40日も50日もかかる。人生でこんなに自由になる時間はない。1日1日、人に声をかけ、いろいろな事に挑戦して回りなさい。感謝に気持ちを忘れずに」。そんな話を聞いたお遍路さんは、深々と礼をして接待所を出て、また歩き始めるそうです。


↑越久田さん夫妻


↑お遍路さんとの触れ合いを語る博一さん




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