愛媛で第17回総会を開催

 「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会は3月24日、愛媛県久万高原町久万188、久万高原町産業文化会館研修室で、第17回総会を開きました。今回は「2024おへんろフォーラム」(併催:「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジクトを支援する会総会)という形式を取りました。フォーラムの主催は「四国へんろ道文化」世界遺産化の会でした。

 総会の開催場所は、大阪と四国4県を順番に回っています。2024年は愛媛県の番でした。一方。久万高原町では毎年、「おへんろフォーラム」が開かれています。支援する会の渡邊浩二・愛媛支部長が実行委員長を務めるため、総会をフォーラムに組み込んでもらいました。

総会の際には毎回、記念講演会を開きます。今回はフォーラムの基調講演を、プロジェクトの主宰者の歌一洋・元近畿大学教授が頼まれたので、これを総会の記念講としても位置づけました。

 フォーラムには、世界遺産化の会の小山田憲正会長ら約60人が参加しました。支援する会からは大阪、徳島、香川の10人が集まりました。

開会は午後1時で、あいさつの後、3人が基調講演をしました。最初は歌・元近教授で、演題は「ヘンロ小屋プロジェクト59号に至る!」。小屋の映像を写しながら、設計趣旨などを説明しました。特に愛媛県内の13の小屋に関しては▽レストランの駐車場の小屋で、店員さんがお接待をしている(16号宇和)▽茶堂をモチーフにした(19号津島かも田)▽小山田さんが寺の敷地に自分で造った(23号仙遊寺接待所)▽風の強い場所なので、ガラスのしとみ戸をつけた(27号鎌大師)▽反社会勢力を締め出した住民力の記念(33号宿毛)▽渡邉・愛媛支部長の尽力で久万高原町に建設(34号久万高原)▽お年寄りとお遍路さんの触れ合いの場(41号今治日高)ーーなどとエピソードを交えて語りました。最後に「小さい小屋だが、人と人が触れ合い、ドラマが起きている」と締めくくりました。

ほかに2つの基調講演は▽えひめ地域づくり研究会議運営委員・近代化遺産活用アドバイザー、岡崎直司さん「四国遍路道調査から見えてくるもの」▽愛媛県教育委員会文化財保護課埋蔵文化財グループ担当係長、西村暢人さん「四国遍路関連資産の文化財指定について」でした。続いて基調講演者らがパネリストになり、「四国へんろ道の世界遺産に値する魅力について」をテーマに、パネルディスカッションを行いました。

 最後に、支援する会の時間をとってもらいました。中心は2023年の会計報告でした。会員182人の会費と寄付金で新たに82万9314円の収入がありました。支出の方では、小屋建設がなかったので大きな支出はなかったものの、古くなった小屋の修理に38万2552円を使いました。ほかに事務局費、小屋建設調査費、機関紙の発送などにも支出しました。この結果、2024年への繰り越しは394万5778円です。

 今後の活動では6月に徳島県で59棟目を建設する計画を報告。これに200万円前後かかります。さらに古い小屋の修理を行うため、会計に余裕がないことも説明しました。また今年は2年任期の役員の改選期にあたりますが、現体制を継続する方針を示し、会計報告とともに承認をいただきました。



↑歌一洋・元教授の基調講演

 



↑パネルディスカッション

 



↑会場の様子

 

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