阿南市立山口小学校の児童がヘンロ小屋阿瀬比で学習

 徳島県阿南市立山口小学校の原真由美先生から、総合的な学習の授業の取り組みが、一般社団法人(非営利)四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクトに送られてきました。校区内にあるヘンロ小屋3号阿瀬比を授業の場として活用したそうです。以下は、原先生の報告です。

【阿南市立 山口小学校 5年生の取組】

 今年度(2024年度)、山口小学校5年生では総合的な学習の時間に、今まで学んだ地域の学習から発展して他にも地域で知られていない場所はないのかを調べた。すると、10年ほど前に山口小学校の先輩方が建てた道しるべがあると、出前授業でОBの先生が教えてくれた。そして、その道しるべについて調べていくことになった。地域にヘンロ小屋が建てられたことも知らなかった児童は、建てられた経緯やなぜ四つの言語が書かれた道しるべを先輩方が作ったのかを知った。また、調べていく中で差別の張り紙が遍路道にあったと知って驚き、自分たちは差別のない世界を応援していること、へンロ小屋が地域にある事を伝えたいと1月の学習発表会で発表することとなった。

 まず、自分たちの気持ちを伝えるにはどんな方法が良いか考え、栞や折り紙、看板を作ることになった。そして、まずは阿瀬比の小屋の清掃したり阿瀬比から大根の遍路道を歩いたりしてみた。「こんなに大変なんや。」「道しるべって日本語で小さい。」「僕はこの距離は大丈夫、でも鶴林寺からは(歩くのは)きつそう。」「小屋がゴミでいっぱいなのは悲しい。」など様々な意見が出た。その後は、地域の方に作り方を教えて頂いたしめ縄や栞、折り紙を置きにいった。

 今は大工さんに、痛んでいるところを見ていただき、修繕方法も聞いている最中である。新年明けてすぐは、平等寺の住職さんにも来ていただき、「お接待」や「お遍路さん」についての話も聞く。お接待やお遍路さんは身近な存在なようだが、よく分からないという児童は多い。「遍路に焦がれて」もいつの間にか知られなくなっていたが、今は放送委員が校内で流して口ずさんでいる児童もいる。今回の取組で、多くの地域の保護者や地域の方に、このヘンロ小屋を知っていただき、みんなでできることを考えていくスタートになればと考えている。

(山口小学校 5年担任 原真由美)









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