ヘンロ小屋49号「ひじ川源流の里」落成式
愛媛県西予市宇和町信里1039の国道56号沿いに、ヘンロ小屋49号「ひじ川源流の里」が完成し、12月7日午前11時から現地で落成式がありました。愛媛県では13棟目の小屋です。遍路文化やお接待の心を、世代を超えて引き継いでいきたいとの思いから、式は子どもを中心に進めていきました。
↑完成したヘンロ小屋49号「ひじ川源流の里」
土地は梶原通政さんから借りました。宇和島信用金庫や村上敬・「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会愛媛支部長ら地元の方の寄付によって、小屋は建設されました。プロジェクトの提唱者で、小屋を設計した建築家、歌一洋・近畿大学教授によると、近くにある肱川の源流を小屋のモチーフに組み入れたそうです。
小屋の特徴は、中に2つのボードが取り付けてあることです。1つは地元の多田小学校の児童が描いた自画像、もう1つは中学生の鷲見蓮(すみ・れん)君の書の作品の展示用です。お遍路さんと子どもたちの交流の場となること願ってのことです。
↑小屋の奥に小さな隙間があって源流を示唆し、そこから広がっていく構図になっている。壁のボードは、子どもたしの絵や書の作品をはります
落成式には多田小学校の児童約20人を含め、地元の人ら約70人が参列しました。最初に、村上支部長が経過報告。「どうしても、この場所に造りたかった。子どもと歩き遍路のふれあいの場所になってほしい」と強調しました。この後、多田小学校の児童の代表が自画像を、鷲見君が書の作品をボードに張りつけ、小屋が完成したことになりました。
小屋の完成を祝い、紙テープが飛びました。四角い容器の上部にある2つの突起を木づちで打つと、ポンと音がして、容器の中から紙テープが舞い上がる仕組みの余興です。木づちを持ったのは子どもたちでした。続いてテープカットでも、子どもの代表が真ん中ではさみを持ち、三好幹二・西予市長や村尾明弘・宇和島信用金庫理事長はその横に並んで、子どもたちの引き立て役に回りました。
↑子どもの代表が木づちで打つと、音とともにテープが飛び散りました
↑子どもが真ん中のテープカット
お祝いのセレモニーに続いて、歌教授が小屋に込めた思いを説明した。「肱川の源流をイメージし、宇和のヒノキを使いました。この小屋を通しての交流、支え合い、おもてなしの精神、優しい心が、宇和から愛媛全体、日本から世界へ広がっていくのを願っています」と、源流からの広がりになぞらえて語りました。
↑小屋の説明をする歌教授
三好市長、村尾理事長、千葉道俊・区長が来賓を代表してあいさつ。村上支部長が梶原さんと村尾理事長、模型を作って小屋の建設にあたった千葉工務店の千葉熊夫・会長に感謝状を贈りました。最後は多田小学校児童会長の長野匡悟君と鷲見君が「お遍路さんが(自分たちの作品を見て)ほっと一息ついてほしい」などを話して、式を締めくくり、最後まで子どもたち中心でした。
↑あいさつする長野君
↑あいさつする鷲見君
最後は餅まき。これも、歌さんや関係者に交じって、子どもたちもまく側に加わりました。会場では、地元の人がミカンや飲み物のお接待をして、式展を盛り上げました。
↑餅まき
↑ミカンや飲み物のお接待もありました