愛媛県四国中央市川滝町下山葱尾(ねぎお)に、ヘンロ小屋37号「しんきん庵・法皇」が完成し、10月4日午前11時から、現地で完成式がありました。場所は65番三角寺と66番雲辺寺の間の国道192号沿いで、上葱尾バス停の近くです。
川之江信用金庫と、地元の方々で組織された「川之江遍路小屋をつくる会」が協力して建設してくださいました。つくる会の会長、石村丹志が土地の提供者です。
小屋は1メートル20センチほど床を上げてあり、屋根は瓦でふいています。小屋のいすに腰掛けると、小屋の名前にもなっている法皇の山を眺めることができます。
式には川之江信金や地元の方々のほか、伊原巧・四国中央市長、篠原実・愛媛県議、石川幸雄・四国中央市議も出席しました。まず、川之江信金の高原達也理事長が「自分探しなどのために歩き遍路が増えています。多くの人にこの小屋を使ってほしい」とあいさつをしました。この言葉に応えるように、式典の最中には3人の歩き遍路が通りかかり、小屋で休むとともに、式典を見守って、ともに完成を喜びました。
歌一洋・近畿大学教授もあいさつに立ち、「法皇の山のきれいな景色を見て、元気になって出発できるように考えました」と、設計の趣旨を説明しました。また、「お遍路さんと地元の方々が触れ合う場となり、支え合いの気持ちが四国に、日本に広がってほしい」と呼びかけました。
最後にテープカットをして、式は終わりました。周りの田には稲が実り、コスモスが赤、白、ピンクの花をつけ、彩りを添えていました。(梶川伸)