愛媛県新居浜市北内町1−2−12にヘンロ小屋55号・横屋が完成し、3月18日午後2時から現地で、竣工式を行いました。式には土地を提供してくださった木下昭三さんや、資金を出していただいた愛媛信用金庫の八石玉秀常務理事など、30人あまりが参加しました。
小屋は四国霊場64番前神寺と65番三角寺の間にあります。土地は木下さんの実家の一部をです。愛媛信金の資金提供による小屋は4棟目です。小屋は建物の壁をバックにして造ってあり、木材を縦に並べて5〜6人が座れるベンチを設けてあります。
式は柴谷宗叔・「四国88ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会役員(高野山真言宗大僧都)の竣工の法儀で始まりました。続いてテープカットに移り、58番・仙遊寺の小山田憲正住職、八石さん、木下さん、四国88ヶ所ヘンロ小屋プロジェクトの主宰者で小屋の設計をした歌一洋さん、森英雄・「四国88ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会事務局長の5人がはさみを入れました。
あいにくの雨のため、その後の式は木下さんの実家の裏庭に張られたテントの下で続けられました。あいさつの最初は小山田住職。この小屋で行われることになる遍路道のお接待にも言及し、「無報酬で汗を流す。これが四国だと思う」と話しました。八石常務理事は完成した小屋について、「この小屋でのお接待の心が次の世代につながっていってほしい」と希望を託しました。
木下さんはまず、「横屋」が遍路宿の組合名だったことを説明、曾祖父がかわっていた縁に減触れました。小屋については「地域のコミュニケーションの場になってほしい」と語りました。
歌さんは設計の意図を説明しました。屋根はお遍路さんの笠のイメージで、色のそれに近い色にしたそうです。ベンチについては「お遍路さんや地元の方が話しやすいように、円形(弧)にした」と述べました。
八石さんから支援する会に小屋の目録の贈呈があり、支援する会からは小屋づくりにかかわって方々に感謝状を贈りました。最後は運良く雨が上がり、小屋の前に参列者が集まり、記念撮影で締めくくりました。