第12回総会



 「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会は3月3日、松山市道後町2−5−1、ひめぎんホール(県民文化会館)の別館第13会議室で、第12回総会兼講演会を開きました。参加は約30人でした。

 総会は事業報告、会計報告、役員人事の順で進みました。2017年は高知県室戸市に56棟目のヘンロ小屋・室戸ジオパークセンターが完成しました。建設への経緯は、これまでにない形でした。小屋建設用地探しが難航しているため、支援する会は四国の札所88カ寺に、情報提供をお願いする手紙を出しました。この手紙が26番・金剛頂寺の坂井智宏住職の目に止まり、NPO法人室戸を元気する会に連絡、元気にする会は室戸市に働きかけて、市から土地を使わせてもらうことができたのです。この経緯を、事務局長が報告しました。

 役員人事は、2017年12月に辰濃和男会長が死去したため、後任を決めるものでした。その結果、倉越進・副会長が会長に、空席となる副会長に藤澤久弘・役員が就任することが決まりました。

 記念講演会ではまず、へんろ新聞前編集長・滝口伸一さんが「へんろ新聞の取材メモから」と題して講演しました。へんろ新聞は伊予鉄道が発行しているもので、滝口さんは2代目編集長として取材・執筆を続け、2017年に退職しました。

 滝口さんは伊予鉄が昭和28年4月に、第1号の遍路バスを出したことを紹介。当時の貴重な写真を示しながら、「第1号のバスに参加した人には、白装束の人はいない。昭和50年代の後半に、白装束が定着した」と歴史を話しました。

 また滝口さんは今治明徳短期大学で、遍路の講座を担当しました。授業として1年生を5日ずつ、歩き遍路に連れて行ったことにも触れました。特に強調したのは、歩き遍路を体験した学生の変化です、「仲間がいたから歩けた」「お接待は勇気づけられる、元気づけられる」というのが、共通した感想だったそうです。

 また、「大学の廊下で会うと、下を向いてすれ違うような女子学生が、遍路の後は自分の方から『先生』と声をかけるようになった」と例を挙げました。そして「遍路をやりきれた自信と、助け合うことで『人は信頼してもいい』ということが分ったのではないか」と分析しました。

 滝口さん自身は、自らの遍路やへんろ新聞の編集長を通して、「遍路は奥深い楽しさがあった」と感想を述べました。

 続いて、遍路を続けている歌手、藤田画子さんのステージに移りました。遍路をテーマにした歌が中心で、小学生の歌詞で作った曲も披露しました。また、20歳〜40歳くらいの女性メンバーが次々を歩き遍路をしていることを紹介し、歩く人の頑張りや、達成感についても語りました。

 最後はプロジェクトの主宰者で建築家の歌一洋さんが締めくくりました。ヘンロ小屋の写真を写しながら、「小屋造りに新たな思い」と題して、目標の89棟までの造るという気持ちを伝えました。最後は質疑応答でした。そ高知県香美市のヘンロ小屋28号・松本大師堂の建設に奮闘したメンバーも参加していて、、小屋が建設から10年を迎え、3月23日午前11時から法要をすることを知らせ、「大量の餅まきもするので、ぜひ来てほしい」と参加者に呼びかけました。

↑講演する滝口さん


↑歌とお話のステージを繰り広げた藤田さん

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